2021 成長への展望

ファミリマート社長?澤田貴司さん デジタル活用で新たな収益モデルを

 --昨年の新型コロナウイルス禍の影響は

 「構造改革などの課題を乗り越え、20年3月から新体制でがんばろうという矢先にコロナ禍が来た。構造改革で店舗担当の社員が減っており、特に首都圏中心に混乱した。春に落ち込んだ加盟店収益は6月以降、前年よりも上がったが、本部収益は加盟店支援金の拠出などもあり、減損損失を計上することになった」

 --20年で得た課題と21年の対応策は

 「コロナ禍を通じて、謙虚に市場に向き合い、組織が大胆に変わっていけるかどうかが一番大事だと痛感した。顧客のニーズをきちんとくみ取り、的確に対応する組織をつくらない限り未来はない」

 「大きな方向性は3つ。1番目は今の延長線上だが、顧客のニーズを的確につかみ、加盟店と一体になって愚直に店舗商売する。2番目は技術導入で店舗運営を簡素化するオペレーション改革と、他社サービスとの連携によるプラスアルファの収益モデルの構築。3番目はデジタルを活用したマネタイズ(収益化)で、外部の力も借りて進める。外部人材の採用も待ったなしだ」

 --デジタル活用でのマネタイズとは

 「(スマートフォン決済アプリの)『ファミペイ』で預かる顧客情報を活用し、付加価値を提供していく。小口金融サービスの提供や、顧客データを活用したビジネスだ。キャッシュの使い方が今後の雌雄を決すると考えている。デジタルや人材に投資したい」

 --伊藤忠商事によるTOB(株式公開買い付け)で非上場化した。伊藤忠とのシナジーは

 「伊藤忠は店舗運営は分からないと思うが、幅広い業種と取引をし、投資を含めネットワークを持っている。われわれは毎日1500万人が来店する店舗プラットフォームで3.5兆円の販売以外の金融サービスを提供しているが、そこには手を打てていない。自社でいろんな挑戦をしているが、得手不得手はあるので、伊藤忠との連携に可能性を感じ始めているところだ」

 --都心店や繁華街店はコロナ禍で痛手を受けた。今後の店舗展開は

 「都心は非常に重要なマーケットなので閉店か追加投資か、店舗ごとに見極めているところだ。ただ多額の投資をして店舗数を競う時代は終わった。投資は費用対効果をみて厳しくやる。3月めどに無人決済システムを導入した店舗を直営で始める。人件費が下がるのでサテライト店として面白い。収益が上がるサービスを提供するからこそ本部はロイヤルティーを頂戴できる。加盟店が運営できる形で提供する方針だ」

【プロフィル】澤田貴司 さわだ?たかし 1981年伊藤忠商事入社。2016年9月、ファミリーマート社長。18年3月、ユニー?ファミリーマートホールディングス(現ファミリーマート)代表取締役副社長。19年5月から現職。石川県出身。

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