2021 成長への展望

東邦ガス社長?冨成義郎さん 脱炭素、当面は天然ガスを高度利用

 --新型コロナウイルスの影響で都市ガス販売は一時大きく減少したが、回復基調にある

 「2020年5月の前年同月比約20%減を底に、緩やかに回復している。自動車販売の回復や中国経済に支えられ、足元はマイナス数%と減少幅が小さくなっている。だが、コロナの感染状況は見通せず、先行きは不透明だ」

 --デジタル化や働き方改革が進んだ

 「コロナ禍でこれから進めようと思っていたデジタル化、働き方改革などの課題が一気に加速した。在宅勤務によってネットワークが整備され、社内内線電話もスマートフォンで対応、営業マンはタブレットを持つようになったし、社内のデジタル決済も導入した。ウィズコロナ、ポストコロナに向けて、生産性を高めながら社員がやりがいを持てる働き方を突き詰めていきたい」

 --電力事業では、自前の電源開発が課題だ

 「電力販売はコロナでの営業自粛もあっていったんペースが落ちた時期もあったが、顧客は39万件を超え、順調に増えている。再生可能エネルギーは太陽光発電で9カ所、8200キロワットになっており、引き続きバイオマス発電を含めて幅広く投資していく。さらに、高効率LNG(液化天然ガス)火力発電設備を保有する検討も進める」

 --政府は50年カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)を宣言した。低炭素とはいえ天然ガスも化石燃料だが、脱炭素化戦略は

 「世界の情勢を考えれば、時宜を得た脱炭素化表明であり、具体化していく必要がある。確かに天然ガスも化石燃料だが、翻って考えると、再エネで全て賄うことは難しい。当面は再エネとコジェネレーション(熱電併給)を組み合わせるなど天然ガスの高度利用を進める。その先の脱炭素化では、天然ガスからの水素生成や、その際に出る二酸化炭素(CO2)の分離回収、メタンガスとしての再利用などの技術開発を組み合わせて順次移行していくべきと考えている」

 --脱炭素化は電化を促進するとの見方もある

 「レジリエンス(外的衝撃に対する復元力)の問題やこれまでに形成してきたガス導管網などの社会資本をいかに効率的に活用するかを考えた場合、エネルギーはある程度バランス良くミックスする中で強みを生かしてやっていくべきだ。脱炭素化はCO2の分離回収?再利用技術の開発によって実現可能になる。日本の技術でCO2を多く排出する途上国での削減に貢献していくことも地球規模の温暖化対策では重要だ」

【プロフィル】冨成義郎 とみなり?よしろう 京大大学院修了。1981年東邦ガス入社。執行役員企画部長、同技術開発本部長、取締役常務執行役員、同専務執行役員を経て、2016年6月から現職。岐阜県出身。

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