2021 成長への展望

東急不動産社長?岡田正志さん 全国で原発1基分の再エネ事業展開

 --2020年は脱炭素社会など環境保全対策への社会的な関心が高まった

 「当社は14年、香川県での太陽光発電事業への参入を皮切りに、再生可能エネルギー事業に力を入れている。環境問題は世界的な課題で、再エネ事業への参入は社会的意義が大きい。また、景気の影響をあまり受けない事業でもある。不動産業は景気の波を受けやすく、今回の新型コロナウイルス禍で当社は、都心のホテルや商業施設、スポーツクラブの業績に影響を受けた。しかし、再エネ事業への影響は全くなかった。将来的には、主力であるオフィスや住宅事業に並ぶ収益の柱に成長させ、経営の安定化につなげたい」

 --再エネ事業の規模は

 「20年12月末時点で、太陽光や風力発電など全国で53事業に携わり、定格容量は1145メガワットとなる。原子力発電所1基分の発電量が一つの目安として100万キロワット(1000メガワット)とされるので、原発1基分の規模だ」

 --不動産デベロッパーのノウハウをどう生かすか

 「一見、畑違いの仕事に見えて実は関連性が深いところがある。再エネ事業では、土地の権利関係の整理や不動産開発に関する許認可など街づくりを通じて長年培ってきた当社のノウハウを生かすことができる。この5、6年で一気に事業を拡大できたのは、われわれの開発力を高く評価してくださった多くのパートナー企業と一緒に取り組むことができたからだと思う」

 --不動産市況はどうなるか

 「通常、景気が悪化すればオフィスの統合や縮小に伴う空室率の増加が起こる。空室率は当社では大きな変化はないものの、オフィス市況全体では上昇傾向にある。ただここ数年は、空室が出ると同じビル内で増床する動きが出てすぐに埋まる状況が続いていた。今回のコロナ禍でそうした動きがなくなり、空室が出ると外部に募集しないと埋まらないという、通常の循環になってきている印象だ」

 --今年はどんな年に

 「都市開発は大型化、複合化が進み、開発には非常に高度なノウハウが求められている。20年9月に開業した東京ポートシティ竹芝(東京都港区)では、データやテクノロジーを活用した“スマートビル”を提案したが、オフィスのデジタルトランスフォーメーション(DX)は今後、世の中では普通のことだと認識されるようになるだろう。当社も実績を重ねてきたので、東京や大阪など都心の街づくりに力を入れるとともに、地方各地での地域貢献に積極的に関わりたい」

                  ◇

【プロフィル】岡田正志

 おかだ?まさし 阪大工卒。1982年東急不動産入社。専務執行役員都市事業ユニット担当、上級執行役員副社長などを歴任。2020年4月から現職。岡山県出身。

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